平成29年度各会計決算特別委員会第三分科会
平成30年10月24日、東京都議会 平成29年度各会計決算特別委員会にて、都市計画道路の整備、古川の河川整備について質疑を行いました。
■都市計画道路の整備について
1.平成二十九年度の状況について
私からは、まずは都市計画道路の整備について伺います。
最初に、東京における都市計画道路の整備についてです。
政治経済の中核機能が集中する東京においては、都市計画道路は、国際都市間の競争を勝ち抜く上で必要不可欠なものです。また、災害時においても交通や物流を確保するとともに、市街地の延焼を遮断するなど、さまざまな効果が期待される重要な都市基盤です。
しかし、都市計画道路の整備率は、いまだ六割を超えた程度であり、都内各所では慢性的な交通渋滞も発生しています。道路ネットワークの整備は、都民経済や生活を支える上で今後も着実な整備が望まれております。東京二〇二〇大会に向けた整備はもとより、その先も見据えて、引き続き道路整備を進めるべきと考えます。
そこで、建設局が進めている都市計画道路の整備について、平成二十九年度の状況について伺いたいと思います。
都市計画道路は、交通、物流機能の強化はもとより、日々の生活を支え、災害時の迅速な救急救援活動を担う重要な都市基盤でございます。
平成二十九年度におきます都市計画道路事業は、二百四十三カ所、約百八十キロメートルで実施いたしました。このうち、東日本旅客鉄道株式会社と連携して整備を進めてまいりました東京駅丸の内駅前広場を構成する補助第九七号線及び補助第九八号線の交通広場は、昨年十二月に完成いたしました。
また、調布三・四・一七号線のうち、調布市若葉町二丁目地内で昨年五月に約三百二十メートルの区間が開通し、本路線により世田谷通りと甲州街道が結ばれました。
2.路線の事業効果について
答弁からも、都市計画道路の整備が着実に進められていることについてはわかりました。
今、答弁でもございましたが、東京駅丸の内駅前広場、先日久しぶりに訪れましたが、本当にきれいに整備がされていて、同時に、非常に機能的に変わったなというふうに感じました。ほかにも、先ほどご紹介いただいた二十九年度に達成した事業があるわけですが、開通した路線では、こうした整備効果が出てきているものと思っています。
そこで、平成二十九年度完成、開通をした主な路線の事業効果はどうなのか伺いたいと思います。
東京駅丸の内駅前広場を構成します補助第九七号線及び補助第九八号線の交通広場につきましては、バスやタクシーの乗降場の再配置、タクシープールの設置などによりまして、整然とした交通流が確保されるとともに、東京駅との交通結節機能が向上いたしました。また、東京駅丸の内駅舎や丸の内中央広場とともに駅前広場としての一体性に配慮し、首都東京の顔にふさわしい風格ある都市景観とにぎわいを創出いたしました。
調布三・四・一七号線につきましては、開通区間と並行する都立神代高校前の都道一一四号線の交通量が約五割減少いたしました。さらに、地元の利用者からは、歩道が広くなり、歩行者や自転車の安全性が向上したとの声が寄せられております。
■古川の河川整備について
1.中小河川整備の目標と進め方について
完成、開通した都市計画道路に関しては、確かに大きな整備効果が出ているというようなことがわかりました。今後も、整備率の向上に向けて、都市計画道路、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうにお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
次は、古川の河川整備についてちょっと伺いたいと思いますが、その前に、人口や資産が集中し、地下鉄や地下街など土地の高度利用が進んだ東京では、台風や集中豪雨により甚大な被害が発生することが考えられます。
ことしも、ご承知のとおり、勢力が強くて大型化した台風が日本列島を襲って、全国各地で浸水被害が発生しているほか、東京においても時間百ミリを超える集中豪雨が発生しています。
こうした台風や集中豪雨は、いつまた東京を襲うかわからないということもありまして、豪雨対策は喫緊の課題となっています。中小河川の整備を着実に推進していくことが本当に重要で、求められています。
そこで、改めて現在の中小河川整備の目標と進め方について伺います。
都は、豪雨が頻発していることから、平成二十四年度に中小河川の整備方針を定めまして、目標整備水準を、区部、多摩の降雨特性を踏まえまして、年超過確率二十分の一で等しい、区部では時間最大七十五ミリ、多摩では時間最大六十五ミリに引き上げました。これまで進めてまいりました護岸整備に加えまして、東京都豪雨対策基本方針における対策強化流域におきまして、二十八年度から新たな目標整備水準に対応した施設整備に着手しております。
整備に当たりましては、時間五十ミリを超える降雨については、道路や公園などを活用した調節池などで対応することとしております。
2.古川の現在の整備状況について
本当に近年激甚化するこうした降雨に対しまして、整備水準をレベルアップして整備を進めていくということについては評価するものです。引き続き、この方針に基づいて着実に整備を推進していただきたいとお願いいたします。
さて、私の地元を流れる古川では、平成十一年八月の集中豪雨によりあふれ、そのときは六百棟を超える浸水被害が発生いたしました。古川があふれたときは、私は当時区議会議員だったんですが、同僚議員も、道路が完全に冠水してその中を歩いていたら、マンホールのふたが外れていて、うっかり落ちそうになったと。まあ、助かったんですけど、そういったこともありまして、大変な状況になったことを記憶しています。
さらに、平成十六年の台風でも浸水被害が発生して、そのときは地下鉄南北線の麻布十番駅が冠水する事態になって、都は、こうした水害を契機として、古川の護岸整備に加え、古川地下調節池の整備をあわせて進めてきました。
そこで、現在の古川の整備状況を改めて伺いたいと思います。
古川は、ビルや首都高速道路の橋脚が護岸に近接して建ち並び、河道拡幅が困難なため、地下調節池による対策を進めまして、治水効果を早期に発現することといたしました。
平成二十年度より古川地下調節池の工事に着手いたしまして、二十七年度から取水を開始しており、二十八年八月の豪雨では、洪水を取水し、効果を発揮いたしました。
二十九年度は、調節池に関する工事を完了させますとともに、一之橋付近など二カ所で護岸整備を実施いたしました。今後も引き続き、護岸整備を進めてまいります。
この古川地下調節池は、事業完了前に効果を早期に発現させるため、今ご答弁にもありました取水を前倒しするなど、本当にさまざまなご苦労があったと思いますが、これを乗り越えて、工事着手から十年間、こうして調節池が完成したことについては、本当に地元住民の方も喜んでいますし、何よりも、ことし亡くなられた私の先輩であります、きたしろ前都議は、このことに非常に力を入れておりまして、高く評価というか、喜んでいるかと思います。改めて高く評価をしたいと思います。
ぜひ引き続き、この古川もこれで完璧ということはないわけで、自然というのはどういう形になるかわかりませんが、古川も含めて、東京の中小河川の整備を着実に進めていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
【都議会リポート】
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/special-accountiong/2018-15.html