平成29年 豊洲市場移転問題特別委員会(1月31日)
豊洲市場移転問題特別委員会
平成二十九年一月三十一日(火曜日)
第十二委員会室
午前十時四十分開議
平成29年1月31日、豊洲市場移転問題特別委員会にて、地下水モニタリング調査結果に関連して、調査の検証と今後の再調査について質問いたしました。
■地下水モニタリングについて
1.豊洲市場用地における、土壌汚染対策法上の地下水モニタリング実施の義務について
まず、私の方から、質問に入る前に、先ごろお亡くなりになられました木内良明議員に対しまして、心からのご冥福をお祈りしたいと思います。
この豊洲市場の移転問題については、木内議員は本当に精力的に、また力を注いでいらしたということでございます。本当に残念な気持ちであろうかと思いますので、その辺も踏まえて、しっかりと私も質問をさせていただきたいと思います。
まず、今月十四日の専門家会議において公表された、第九回モニタリング調査の結果でございますが、本当にこれは、もちろん私だけではなくて、大きな衝撃をあらゆる方面で受けた方が多かったんじゃないかなと思いますが、これまでの調査結果とは、この内容が余りにも大きく異なるものであったというわけです。
今回の調査結果を受けて、市場業者や都民の間には本当に大きな不安の声が広がっています。暫定値という取り扱いでありますけれども、今になって専門家も評価できないような数値が出て、過去のモニタリング調査の信憑性さえ疑われているというような状況です。なぜこのような事態になったのか、それを明らかにしていくことが、この特別委員会に求められていると思います。
豊洲市場の開場は食の安全と安心の確保なくしてなし得ない、都議会自民党は、過去の調査も含めて、原因究明に全力で取り組んでいく決意のもとで、本日の質疑を展開していきたいと思います。
そこで、初めに、二年間の地下水モニタリングの趣旨を確認していきたいと思います。
そもそも豊洲市場用地においては、土壌汚染対策法上、地下水モニタリングの実施が義務づけられているものなのか、その辺からお聞きしたいと思います。
豊洲市場用地は、用地内及びその周辺で地下水が飲用として利用されることがなく、また、市場では地下水の利用が予定されていないことから、土壌汚染対策法上、汚染の除去等の措置は求められておらず、その確認のための地下水モニタリングについても実施の義務はございません。
2二年間、地下水モニタリングは何のために実施されたのか。
このモニタリング調査は、法に義務づけられているわけではないということであります。都の任意の調査という位置づけで行われているということでありますけれども、そもそも二年間モニタリングは、じゃあ何のために実施しているのか、お聞きしたいと思います。
二年間モニタリングは、生鮮食料品を取り扱う市場用地としての安全・安心を確保する観点から実施しております。これまでの土壌汚染対策工事の中で、土壌汚染及び地下水汚染の対策を行った地点を対象として調査をしております。
義務ではなく任意の調査ということでありますから、土壌汚染対策の実施後の状況を確認し、市場用地の安全・安心を確保するために行われていると私も考えます。
3.なぜ9回目のモニタリングで突然測定結果が上昇したのか
これまでの調査結果を見てみますと、第一回から第七回までは全ての調査箇所で基準値以内、そして第八回では三カ所のみ基準値超過という状況でありました。
しかし、今回は七十二カ所と、これまでの傾向とは大きく異なる結果となり、このことがさまざまな疑問を巻き起こし、市場業者や都民の不安を招くこととなりました。なぜこうした事態になったのかをしっかりと追及していく必要があると思います。
今回のモニタリング調査で、突然測定結果が上昇したのは、一体なぜなんでしょうか。
第四回専門家会議において、平田座長は、今回のデータにはとても驚いている、これまでと大きく異なる結果であり、説明ができないような大きな乖離がある、現時点でこの結果を評価することはできない、豊洲市場の地下水については土壌だけでなく地下水も処理している、そういうところで、なぜ急激に濃度が上がったかについて検証していく必要があるとしています。
このため、専門家会議の管理のもと、再調査を行うことといたしました。
現時点では、今回の結果を評価することはできない。だから改めて調査を行うということですけれども、こうした原因がわからない状況の中で数字がひとり歩きすることも、一般の都民の方の不安を助長し、風評被害にもつながっているのではないかと私は考えます。
特に市場から近い地域では、この間の盛り土問題などによる風評被害など、さまざまな影響を受けていることを踏まえると、今回、専門家による原因分析や評価もなく、単に数値のみが公表されたことにより、さらなる不安を生じさせたということで、配慮が足りなかったといえます。
4市場当局による土壌汚染対策は適切に行われてきたのかについて
また、モニタリング調査が任意であるといえども、土壌汚染対策の実施後の状況を確認する観点で行われ、基準値を大幅に超える結果が出た以上、土壌汚染対策が適切に行われているのかという点について、疑問を抱かざるを得なくなりました。
市場当局はこれまで、APプラス二メートルまでの汚染土壌は全て除去し、それよりも深い部分については、調査結果に基づいて、汚染が基準値以下になるまで汚染土壌の処理をしたと説明してきました。ですよね。また、地下水についても、現地において浄化処理をしたとしています。
にもかかわらず、今回になって突然に地下水の測定結果で基準値を超過したのは、一体なぜなんですか。土壌汚染対策が不十分だったのか、もしくはモニタリング調査に問題があったのか、そうした都民が思う疑問についてもしっかりと説明をしていかなければならないと思います。
そもそも、市場当局による土壌汚染対策は適切に行われてきたと断言できるのでしょうか。工事や地下水の浄化は本当に適切に行われてきたのか、お答えいただきたいと思います。
豊洲市場用地における土壌汚染対策については、汚染土壌の処理や地下水の浄化などについて、適宜、都の職員が立ち会うとともに、計量証明書により基準値以下となっていることを確認しております。
その上で、対策の実施状況について、土壌汚染対策法のガイドラインに規定される工事終了報告書を環境局に提出しております。
今の答弁によれば、市場から環境局にも対策の状況は届け出がされているということであります。
土壌汚染対策の実施状況を確認の結果、環境局ではどういう確認をしたのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
豊洲市場用地におけるガス工場操業に由来する汚染土壌については、市場からの届け出に基づき、汚染土壌の掘削除去や処理状況、工事中の拡散防止対策等について、現場写真や関係図書などにより審査いたしまして、土壌汚染対策法の規定に基づき、的確に実施されていることを確認しております。
5.採水や分析の会社を何度も変えていることについて
今の市場の答弁と、また環境局の答弁を踏まえれば、土壌汚染対策が適切に講じられていたということになるわけですが、仮にそうだとすれば、今度は、地下水モニタリング調査が適切に行われてきたのかというのが問題となってきます。
市場の説明によれば、これまでのモニタリング調査には複数の会社が受注先となっているとのことであります。しかしながら、本来二年間の地下水モニタリングといったものは、一貫した検査体制のもとでやるのが基本ではないかと私は考えます。
地下水のモニタリングは水の中の微量な成分を分析するものでありますから、調査の質や継続性を確保するものであれば、頻繁に調査会社を変えることは通常考えがたいと思います。
今回、私たちは、第九回の結果にあわせて、初めてモニタリング会社が頻繁に変わっているということを知らされました。そうしたことについて、これまで報告がなかったことについても大変残念に思います。今回、なぜこういう形で変わったのかについて、しっかりと問いただしていくことが必要だと考えます。
そこで、採水や分析の会社を何度も変えているのはなぜなんでしょうか。
豊洲市場用地におけるモニタリング調査は、委託や工事の進捗に合わせて適時契約を行ってまいりました。
具体的には、第一回から第三回までの採水については、二年間モニタリングの実施計画などの策定を委託した会社と契約し、分析については、別途入札により会社を決定いたしました。
第四回から第八回については、建築本体工事など多くの工事がふくそうする中、各街区に六十カ所以上あるモニタリング井戸において、パージ作業や採水など時間を要する現場作業を適切に実施し、かつ三カ月以内に一回のモニタリングを完了しなければならない状況でありました。
このため、モニタリング調査を適切に実施できるよう、各街区の工事を受注していたJVと契約することといたしました。
第九回については、各街区の主要な工事が完了し、工程調整などの制約がないため、契約の公平性、客観性を確保する観点から、競争入札で契約することといたしました。
6.どのような考え方に基づいて採水及び分析の会社を選定したのか
今、るるご説明を伺いましたけれども、二年間の地下水モニタリングについての、一貫性を持ってしっかり調査するという部分では、ちょっとその意識が不足していたのではないかなと思うわけです。
工程調整等の制約などもあり、厳しい状況下でモニタリングを行わざるを得なかったとしても、モニタリング調査の重要性や調査の信頼性の確保について、軽く考えていたのではないかなとも思います。
精緻な調査を行う上では、採水や分析方法に一貫性を持って信頼のおける会社を選定することも重要な要素として欠かせないと私は思います。
採水や分析の会社はどのような考え方に基づいて選定されたのか、お聞きしたいと思います。
モニタリング調査については、国のガイドラインなどにおいて採水の方法や試料の取り扱いなどが定められております。
採水、分析を行った会社については、先ほど申し上げたとおり、当時の状況から最も効果的な方法で契約したものであり、いずれの事業者も国のガイドラインなどが遵守されるよう十分な実績を有していることを確認しております。
7.調査途中で会社が変更になる場合の環境局の対応について
ちょっと、じゃあ別なところでお聞きしたいと思います。
環境局では、大気汚染防止法や水質汚濁防止法など、法に基づいて大気や水質の常時監視を行っています。これ以外にもさまざまな形で環境調査を行っていると思います。また、民間における土壌や地下水の調査の実施状況についても、さまざまな事例を知っていると思います。
そこで、環境局にお尋ねしますが、継続した環境調査を実施する際に、調査の途中で会社が変更になる場合、環境局はどのように対応しているのか、お聞きしたいと思います。
土壌汚染対策法のガイドライン等では、地下水モニタリングの実施を同一の会社が行うという規定は特段定められておりません。このため、契約が原則として年度単位である官公庁の場合、入札の結果、業者が変わることは一般的にあることでございます。
環境局が実施しております環境調査等の委託では、標準作業手順書を提出させることや、分析のクロスチェックを行うなど、精度を確保するための仕様を定めております。これにより、業者が変更になる場合のデータの継続性を契約上担保しております。
実際に業者が変更になった場合には、現場での採水などに専門的知見を持った職員が立ち会い、個々の現場の状況に応じた技術的な指導を行っております。さらに、調査結果に大きな変動が生じた場合には、再調査を指示することもございます。
8.調査結果の精度を保つための取り組みについて
今回のように、調査会社が途中で変わるというような場合、環境局では、分析のクロスチェックを行うなど精度を確保するための取り組みを行っているということです。
そこで、市場としては、調査結果の精度を保つためにどんな取り組みをしたのか、お聞きしたいと思います。
モニタリング調査については、国のガイドライン等に採水の方法、試料の取り扱い、分析方法が定められており、ガイドラインに準拠するよう指導することで、会社を変更しても調査結果の精度は担保されると考えたものでございます。
国のガイドラインへの準拠を指導するだけで質を確保できると考えていたということでありますけれども、環境局が行っている取り組みと比べてみると、明らかにずさんといえます。調査の精度を確保するという意識が薄いといわざるを得ないと思います。
■これまでの調査に対する検証について
1.調査の検証にどう取り組むか
中央卸売市場は環境に関する専門職種が集まる組織ではないことがその一因かもしれませんが、こうした組織が重要な環境調査を行うのであれば、専門的な知見を有する学識経験者や、都庁内の各局の専門的な知見を有する職員の力をかりるなどの慎重な対応をとるべきだったと思います。
そうした配慮が足りないからこそ、結果として、大きな不安や混乱を招き、これまでの調査全体に対しても疑念を抱かせるような状況になっていると考えると、甚だ遺憾であります。
このような状況となった以上、都民の信頼回復に向けて、これまでの全ての調査について徹底的に検証を進めるべきであります。その際に、中央卸売市場だけで対応することが現実的には困難である以上、外部の専門的な知見を最大限に活用すべきと考えます。これまでの調査の検証に当たっては、専門家会議の関与のもとでしっかり検証するべきと考えますが、局としてどう取り組むのか見解を伺います。
専門家会議の指示のもとで環境局職員にも立ち会いを依頼し、関係書類の確認や受託会社等へのヒアリングなどの検証作業を今後は進めてまいります。
第一回から第九回までの全てのモニタリング調査を対象として、専門家会議の関与のもとで検証を進めていく予定でございます。
具体的には、調査報告書を初めとした関係書類や、施工を記録した写真などの資料に基づいて検証するとともに、受託会社等に対するヒアリングも行ってまいります。
2.専門的知識をもつ環境局が協力すべき
今、中央卸売市場の方から環境局も立ち会うという答弁がありましたが、今後は、土壌や水質の専門的な知識を有する環境局が積極的に協力すべきと考えます。
そこで見解を伺いたいと思います。
環境局は、土壌汚染対策に関しまして規制や指導する立場でございまして、その公平性に疑義を持たれないよう、事業主体との関係を維持することが求められております。
しかしながら、今回の地下水モニタリングの結果、再調査につきましては、多くの都民が関心を持ち、重要な課題となっていることなどを考慮いたしまして、従来の立場から一歩踏み込み、今後、中央卸売市場に対して、環境局のこれまでの経験や専門的知識、知見を活用して、より積極的な指導や助言を行うことにより協力をしてまいりたいと考えております。
3.検証結果の公表の見通しについて
今回のモニタリング結果を見て、多くの都民が、もう何を信じていいのかわからないというのが本音だと思います。環境局も立場はあるでしょうけれども、その専門性や公平性を生かして、ぜひ都民の不安を除去するために積極的に動くことを要望しておきます。
今回の地下水モニタリング結果の数値は、暫定値といえども影響が大きく、過去の調査がいいかげんだったという根拠のないうわさも耳にするなど、市場業者や都民の都に対する不信は高まりを見せています。こうした不信感は時間がたてばたつほどに大きくなる、そういうものです。
そこで、早期にまず検証し、結果を公表するべきだと思いますが、その見通しを伺いたいと思います。
過去の調査の検証については、可能な限り早期に進められるよう、専門家会議とも調整してまいります。これまでの関係資料の確認作業や受託会社へのヒアリングを行った上で、その結果を取りまとめ、三月に開催予定の専門家会議において公表を予定しております。
■再調査の実施について
1.再調査を実施する目的と必要性
過去の検証以上に、そこで重要なのが再調査であると思います。今まで指摘した点も踏まえ、再調査は信頼に足る調査となるよう、専門家の積極的な関与のもとで透明性を確保して行われることが重要です。
モニタリング調査結果が信用できるのかわからない中では、豊洲市場用地の現状を正しく評価することはできません。また、正しい現状がわからなければ、過去の調査を評価することも難しい、そう思います。
そこで、何を目的として再調査を実施するのか確認したいと思います。
再調査の目的は、今回のモニタリング調査結果における過去調査との大きな乖離が生じた原因を究明するとともに、豊洲市場用地の地下水の現状を把握するために行うものでございます。
再調査は二十九カ所の井戸について二回実施し、専門家会議の管理のもとで、一連の工程について、手順ごとに実施状況を確認してまいります。
再調査は二回実施するということですけれども、その必要性について確認したいと思います。
今回のモニタリング調査結果が、過去の結果と大きく乖離したことの原因を究明することも再調査の重要な目的としているところであり、専門家会議において、信頼性を高める上で再調査を複数回行い、比較検証する必要があると判断したものであります。
今、信頼性を高めるために二回行うということですけれども、これまでのモニタリングにおいても、それぐらいの意識を持って臨んでほしかったと思います。
2.どのような考え方に基づいて再調査の分析会社を選定したのか
再調査は信頼に足る調査とすることが大前提であり、その上で、分析会社の選定過程についても適切なものであることが求められます。
都は、一月二十七日に再調査を担当する調査会社を明らかにしていますが、どのような考え方に基づいてその分析会社を選ばれたのか、お聞きしたいと思います。
再調査の趣旨を踏まえて、専門家の視点から、事業者の信頼性や実績を考慮して複数社を選定いたしました。
具体的には、これまでの測定結果の違いを考察するために、過去の調査を行ったユーロフィン日本環境株式会社と株式会社湘南分析センターの二社と、これまで専門家会議の指示による調査を行ってきた株式会社環境管理センターを加えた三社といたしました。
なお、分析には東京都環境科学研究所も参加しております。これによって分析結果のクロスチェックが十全に行えるものと考えております。
これまでの調査で異なる結果を出した業者がともに含まれているということは、測定結果が変動した原因を究明する上で有意義であるとは思います。
3.観測地点の選択について
あわせて、観測地点の選択も適切に行われるべき、必要があると思いますが、二十九カ所の井戸というのはどのような考え方で選定したのか、お聞きしたいと思います。
再調査は、可能な限り早く今回の結果について検証するため、専門家会議において、今回の調査でベンゼンまたはシアンが基準値の五倍を超えて検出された全ての箇所と、不検出または低濃度の箇所の三つの街区からバランスよく抽出し、合計で二十九カ所を選定して実施することといたしました。 なお、昨日より再調査を開始しております。
4.再調査の正確性の確保について
再調査の信頼性を確保する上で、最も重要なのは調査の正確性の確保であります。今回のモニタリングの数値が過去の数値と大きく乖離し、調査に対する不安が高まっている以上、再調査の採水から分析までの一連の工程が全てにわたり適切な管理のもとで行われる必要があります。
そこで、再調査の正確性の確保についてはどのように行うのか、お聞きしたいと思います。
再調査に当たりましては、専門家会議と環境局の関与により、採水、試料の保管及び運搬、分析の前処理や分析について、専門的見地からの指示を反映することで精度管理を徹底してまいります。
5.今後のスケジュールについて
専門家会議と環境局の関与のもとで精度管理を徹底するということでありますが、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。
調査をしっかり行っていくには、また一定の期間が必要であろうかと思いますが、今後のスケジュールについては、どのような予定を考えているのか、お聞きしたいと思います。
再調査は二回の結果を確認する必要があることから、採水と分析に一カ月余りを要する見込みでございます。
結果については、過去の調査の検証結果とあわせて、三月の専門家会議において公表していく予定でございます。
6.再調査の内容とスケジュールの妥当性について
今、市場の方から答弁をいただきましたが、市場の再調査の内容やスケジュールに関しては、専門的な知見を有する環境局から見て、精度管理上、妥当なものといえるのかをちょっと伺っておきたいと思います。
環境局が調査を実施する場合は、採水への専門家の立ち会いや複数者での分析クロスチェックを行っておりまして、今回の市場の調査はこれと同様の内容で実施されることから、妥当なものと考えられます。
また、調査分析に要する期間についても、適切に確保されていると考えております。
7.安全・安心の確保と不安の解消に向けて
妥当である、適切であるという環境局からのお話がありましたが、再調査を行うことで一定の期間がかかる、これは、もとはといえば、今回、市場当局が二年間、モニタリング調査を一貫した検査体制で行わなかったことや、調査について専門的な知識を有する環境局の助言を仰がなかったことなど、配慮が足りなかったことが今回の事態を招いているともいえます。
再調査や過去の調査の検証を行わなければならなくなった分、専門家会議が報告書を取りまとめる時期や知事の移転の判断など、ロードマップ上のスケジュールにも影響を及ぼすのではないかと思います。こうした配慮の欠如により、市場業者や都民に不安や不信を抱かせてしまったことは、全くもって遺憾であり、残念でなりません。
これまでの調査をめぐり、市場関係者や都民に不安を与えたことについて、どう認識しているのか、お答えいただきたいと思います。
モニタリング調査におきまして、一回目から九回目までの一貫性の確保や、環境局との連携などにつきまして十分な配慮が足りなかった。そうしたことにつきましては、ご指摘のとおりだと考えております。こうしたことによりまして、市場業者や多くの都民の皆様にご心配をおかけしていることにつきまして、市場当局としてまことに申しわけなく思っているところでございます。
これまでの調査の実施状況を検証し、その内容を明らかにするとともに、再調査を実施いたしまして、豊洲市場用地の現状を正確に把握することが皆様の不安や不信を払拭する上で不可欠であると認識しております。
このため、今後、平田座長を初めとする専門家の先生方の指示のもと、環境局の協力もいただきながら、再調査を的確に進めてまいります。
市場業者は現在、市場用地の安全・安心に対する不安、移転時期がますます不透明になることに対する不安、そして、その間の事業継続や経済的な損失への不安など、多くの不安を抱えているんですよ。
去る一月二十七日、都は、豊洲市場への移転延期に伴う補償スキームの策定については公表していますが、ぜひ市場業者の不安に寄り添って、公正、迅速かつ誠実な補償を行っていただきたいと思います。
最後に、繰り返しになりますが、市場用地の安全・安心の確保については、専門家会議や環境局の力をかりて再調査をしっかりと行う。そして、不安の解消に向けて全力で取り組んでいただきたい。そのことを強く求めて、私の質問を終わります。
【都議会リポート】
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/market-relocation/19-07.html